回転ファンの汚れで電気代が高くなります

2025年06月23日 16:18

暑い日にエアコンをつけても、風が弱くて室温がなかなか下がらない――もし回転ファンがホコリとカビでびっしりなら、その原因は「汚れによる電力ロス」にあります。汚れたファンが電気代を押し上げる仕組みは意外と単純で、しかも家計に直結します。本記事では3つのメカニズムと節電のコツを約解説します。



【1】送風量低下で熱交換が失速
ファン羽根間の隙間がホコリで埋まると、設計風量が1~3割低下します。風が弱くなると熱交換器が十分に空気を通せず、冷媒は冷えたまま戻ってコンプレッサーが長時間回り続けます。環境省の資料でも「風量10%減でCOPが約3%落ちる」と明記されています。 

【1】送風量低下で熱交換が失速(詳細)
ファンの風速が落ちると、蒸発器表面の温度分布が均一にならず、一部で霜が発生します。霜を溶かすために自動除霜運転が増えれば、その分ヒーターや逆サイクルが作動し消費電力が跳ね上がります。

【2】モーター負荷増大
乾いた汚れは軽そうに見えても、湿気を含むとファン自体の質量が増え、羽根形状も崩れます。するとバランスが狂い、回転抵抗が上昇し、モーター電流が増えます。業者シミュレーションでは年換算で約20%余計に電気を食うケースも報告されています。 

【2】モーター負荷増大(詳細)
バランスが崩れたファンは「ガタガタ」という細かな振動音を伴います。振動は軸受け温度を上げ、グリス劣化→さらなる摩擦増という悪循環を招き、最悪の場合はモーターの寿命を縮め修理費まで膨らみます。

【3】温度センサー誤動作
吹出口付近だけ冷気が滞留すると、サーミスタが「もう冷えた」と判断して弱運転に切り替え、すぐに室温が戻って再び強運転…というサイクル運転が頻発。起動電流→停止→再起動を繰り返すたび突入電流が発生し、効率がさらにダウンします。

【3】温度センサー誤動作(詳細)
サイクル運転が増えると平均消費電力は同じに見えても突入電流が多いぶんブレーカー容量に余裕がなくなり、他の家電との同時使用で落ちやすくなるトラブルも報告されています。



◆どのくらい高くつく?
例えば6畳用エアコンで、クリーニング前後の電力量を比較した実測では、月100時間使用で約5,000円の差が出たというデータもあります。  汚れがひどいまま使い続けると、年間1万円以上の『ホコリ税』を払っている計算になります。

◆今日からできる4つの対策
• フィルターは2週間に1度水洗い
• 冷房停止前に5分だけ送風運転し、結露を乾かす
• ファン分解洗浄は年1回(使用時間が長い家庭は半年)
• クリーニング後は設定温度を1℃高めに。これだけでさらに約10%の節電効果。 



電気代の高騰に悩む今こそ、エアコン内部清掃は『攻めの節電』。風量が戻れば冷え方も爽快、カビ臭も激減し、肌荒れやアレルギーのリスクも下がります。ホコリでムダ金を払う前に、今シーズンはファンを丸洗いして、涼しくスマートな夏を迎えましょう。

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